地球温暖化対策は地球規模の大きな課題であり、日本でも政府が「2020年までに温室効果ガス排出量を1990年比25%削減する。」と世界に向けて宣言するなど、国内外の関心が高まっています。特に住宅・建築物分野のエネルギー消費量は京都議定書採択以降も増加し続けており、環境省の示したロードマップにおいても、オフィスビル等を含む業務部門は大幅な削減が求められています。
CO2削減の基本プラン
1. 積極的な建替の推進
ヒューリック株式会社では、10年間で40棟の建替プロジェクトを進めています。
新築ビルは設計段階でさまざまな省エネ技術を組み込むことができるため、一般に既存ビルと比べてエネルギー効率が良く、当社は保有物件の約3分の1にあたる40棟でこうした取組みを行うことにより、CO2の大幅な削減につなげることが可能です。建替プロジェクトでは様々な省エネメニューを取捨選択し、効果的に組み合わせることでCO2削減の極大化に努めていきます。
2. 所有物件の中心は中規模のオフィスビル
当社保有物件は、中規模のオフィスビルがその大半を占めますが、オフィスビルは商業ビル・ホテルと比較してもエネルギー消費量は少ない上、中規模ビルはエネルギー効率をコントロールしやすいという強みがあります。既存保有物件についても改修により、エネルギー効率の改善を図っていきます。
3. 米国マサチューセッツ工科大学(MIT)との共同研究
オフィスビルでは、全体のエネルギーの約65%を空調と照明で消費しています。
つまり、この空調と照明のエネルギー効率を抜本的に改善することこそ、CO2削減への鍵となります。
このような見地から、CO2排出量削減のための新たな技術である自然エネルギー活用(自然換気・自然採光など)の研究プロジェクトをMITと共に進めています。これら最先端の技術を今後のヒューリックモデルビルに適用し、CO2の削減に努めていきます。



CO2削減計画 概要
- 建替による新築ビル
- 環境配慮技術を導入した建替を行い、7割の物件についてはエネルギー使用量を、1990年のヒューリック所有ビルの平均値と比較して50%削減し、3割の物件についてはエネルギー使用量を57%削減します。
- 既存ビル
- 省エネ改修を実施し、7割の物件についてはエネルギー使用量を、1990年のヒューリック所有ビルの平均値と比較して32%削減し、3割の物件についてはエネルギー使用量を35%削減します。
- 新規購入ビル
- 省エネ改修を実施し、今後新規に購入する物件のエネルギー使用量を、1990年のヒューリック所有ビルの平均値と比較して35%削減します。
- 運用による削減
- テナントとの協力により、エネルギー使用量をさらに2%削減します。
こうしたトップレベルの環境技術を導入することにより高い省CO2効果が得られます。CASBEE(建築物総合環境性能評価システム)による評価でも、BEEは3.3で、Sランクに該当します。

CO2排出量削減によるコストメリット
環境配慮ビル建設や既存ビルの省エネ改修によりエネルギー使用量を削減することができれば、電気代・ガス代等の光熱費を大幅に削減することができます。
当社では、こうして削減された光熱費について、テナントと当社の間でコスト還元できるようなシステムの構築を検討しています。このシステムが実現すれば、テナントに大きなインセンティブとなるばかりでなく当社にとってもコストメリットが得られ、ますます省エネ・CO2削減に向けた取組みに弾みがつくでしょう。
CO2排出量削減に向けたロードマップ
環境諮問会議の評価
この計画について外部有識者から構成される環境諮問会議にもご意見を伺ったところ、以下のようなご意見をいただきました。
- 非常に先駆的な取組みであり、不動産業界のフロントランナーとして期待したい
- 中・小規模の省エネビルのモデルになってほしい
- 今後の省エネはテナントとの協働が鍵となる
- ゼロエネルギービル(ZEB)に挑戦してはどうか
建替によって延床面積を増加させつつ、他方でCO2排出量を削減することは大きな挑戦です。新規ビル・既存ビルそれぞれに具体的対策を盛り込み、目標の達成を目指していきます。こうした環境配慮ビルの建築を通じて低炭素社会の実現に寄与していきます。当社はこれを果たすべき社会的責任ととらえ、永く、将来に向けた地球環境の保全に貢献していきます。


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