「THE 表参道」をテーマに開催された第5回ヒューリック学生アイデアコンペは、2017年10月15日にヒューリック本社にて公開2次審査を実施し、プレゼンテーションと質疑応答、審査委員の議論を経て、最優秀賞1作品、優秀賞3作品、佳作6作品が決定しました。(応募総数点188)
今回の課題は、学生にとってある意味、日本の中でも一番魅力的な敷地だったと思います。学生たちが遊びたい、一番おしゃれだと思う気持ちをどういう風に建築に翻訳するかということがテーマだったわけですが、その作業は、実は意外に難しいのです。魅力を感じる敷地ほど、自分を客観的に見れなくなるという危険があるのです。そんな場合に重要なのは、社会のニーズ、社会の『気持ち』を理解することです。今回も “自分が楽しい”という発想を超えることができた案、すなわち “今の社会が何を求めているか”ということに気づいた案が最終的には残ったと思います。 「Re:こどもの城」はただ“ファッション”や“消費”というのを超えたなにか社会的な価値、そういうものを“子供”というものの中に見出して、それを見事に建築に翻訳した案だったと思います。子供は未来を暗示してくれる力も持っていて、気持ちが明るくなりました。そういう意味では“環境”も今の社会の大きな要請です。それぞれ皆さん環境に対する配慮もしてあったのですが、応募者の単に環境に対して考えているというだけではなくて、それ以上のポジティブなメッセージが必要です。気持ちが明るくなり、未来が透き通って見えるようなメッセージがコンペには必要です。 隈 研吾
審査員コメント
今回の課題は、学生にとってある意味、日本の中でも一番魅力的な敷地だったと思います。学生たちが遊びたい、一番おしゃれだと思う気持ちをどういう風に建築に翻訳するかということがテーマだったわけですが、その作業は、実は意外に難しいのです。魅力を感じる敷地ほど、自分を客観的に見れなくなるという危険があるのです。そんな場合に重要なのは、社会のニーズ、社会の『気持ち』を理解することです。今回も “自分が楽しい”という発想を超えることができた案、すなわち “今の社会が何を求めているか”ということに気づいた案が最終的には残ったと思います。
「Re:こどもの城」はただ“ファッション”や“消費”というのを超えたなにか社会的な価値、そういうものを“子供”というものの中に見出して、それを見事に建築に翻訳した案だったと思います。子供は未来を暗示してくれる力も持っていて、気持ちが明るくなりました。そういう意味では“環境”も今の社会の大きな要請です。それぞれ皆さん環境に対する配慮もしてあったのですが、応募者の単に環境に対して考えているというだけではなくて、それ以上のポジティブなメッセージが必要です。気持ちが明るくなり、未来が透き通って見えるようなメッセージがコンペには必要です。
隈 研吾