Hulic

第9回
ヒューリック
学生アイデアコンペ

ANNOUNCEMENT OF THE RESULTS
結果発表

第9回審査結果発表

「新しい文化国際都市の建築」をテーマに開催された第9回ヒューリック学生アイデアコンペは、2021年10月17日にヒューリック本社にて公開2次審査を実施し、プレゼンテーションと質疑応答、審査委員の議論を経て、最優秀賞1作品、優秀賞3作品、佳作6作品が決定しました。(応募総数:132)

最優秀

hlc-34

受賞者

  • 登録番号:hlc-34
  • 作品名:STOCK RE-ONSTAGE
  • 氏名:加藤 駿一 / 飯田 兼都 / 市瀬 智之
  • 学校名:名城大学大学院 理工学研究科建築学専攻

優秀

hlc-107

受賞者

  • 登録番号:hlc-107
  • 作品名:RACK'N RAIL
  • 氏名:上山 駿介 / 大石 夏輝 / 大野 裕介 / 樽木 奈生美
  • 学校名:東京理科大学大学院 理工学研究科建築学専攻
hlc-114

受賞者

  • 登録番号:hlc-114
  • 作品名:GACHA GACHA CULTURE MACHINE
  • 氏名:岸 晃輔
  • 学校名:東京都市大学大学院 総合理工学研究科 建築・都市専攻 建築学領域
hlc-160

受賞者

  • 登録番号:hlc-160
  • 作品名:HEALTH COMPLEX
  • 氏名:渡邉 大祐 / 森田 雅大
  • 学校名:
    東京大学大学院 工学系研究科都市工学専攻(渡邉)
    千葉大学大学院 融合理工学府 創成工学専攻 建築学コース(森田)

佳作

hlc-17
  • 登録番号:hlc-17
  • 作品名:IKEBUKURO NEO-DEPARTMENT STORE
  • 氏名:中村 美月 / 横畑 佑樹 / 中村 正基
  • 学校名:日本大学大学院 理工学研究科海洋建築工学専攻
hlc-111
  • 登録番号:hlc-111
  • 作品名:IKE FUTURE
  • 氏名:ZHANG ZIBO
  • 学校名:東京造形大学大学院 造形研究科造形専攻 デザイン研究領域
hlc-176
  • 登録番号:hlc-176
  • 作品名:Your Circuler Story
  • 氏名:横田 勇樹 / 趙 卓君 / 米田 直泰 / 井野 雄太 / 勝 満智子
  • 学校名:名古屋大学大学院 環境学研究科都市環境学専攻
hlc-180
  • 登録番号:hlc-180
  • 作品名:
    Switch Rooming 『みんなのトイレ』から『わたしたちのスイッチルーム』へ
  • 氏名:谷 俊栄 / 西川 裕知 / 杉山 莉奈 / 大崎 拓実
  • 学校名:名古屋工業大学大学院 工学部専攻社会工学系プログラム建築デザイン専攻
hlc-199
  • 登録番号:hlc-199
  • 作品名:傘の根とAMENIWA
  • 氏名:井山 智裕
  • 学校名:日本大学大学院 生産工学研究科 建築工学専攻
hlc-206
  • 登録番号:hlc-206
  • 作品名:
    まち配BOXー『モノを受け取る場・使う場』による文化拠点の提案ー
  • 氏名:川田 泰歩 / 足立 輝人
  • 学校名:立命館大学大学院 理工学研究科

審査員コメント

「消滅可能性都市」から一気に住みたい街へと大逆転をはたした豊島区、そしてその中心池袋は、渋谷や新宿のような「オシャレな街」にはない一種の「暗さ」をもっていて、そこが逆に大きな可能性であると僕には感じられるのである。その「暗さ」の要因のひとつが、池袋周辺の古い木造住宅の空き家であり、最優秀賞はそこに目をつけて、一種の資源リサイクルシステムを提案し、そのシステムを建築のデザインへと昇華させた。
建築が単体として評価されるのではなく、建築をノードとする大きな循環システムとして評価される時代の到来を予見させる見事な回答であった。
優秀賞のどれもが、従来の都心に求められていたハイカルチャーとは異なる池袋らしいローカルチャー(たとえばガチャガチャ、アニメ)に注目して、それを建築のプログラムやデザインへと昇華させようと試みていて、目を引いた。都市対郊外、ハイカルチャー対ローカルチャーという20世紀的二項対立は、コロナによっていよいよ色あせたように感じられる。池袋はその新しい時代を予感させる一つの可能性であることを再認識した。

隈 研吾


このコンペも第9回を迎え、最優秀から佳作にまで残った作品は、事業スキーム、建築デザインと環境デザインの融合、プレゼ資料の質など、いずれも提案レベルが高くなってきている。持続可能な開発目標(SDGs)の諸ゴール達成と関連付けた提案が増えてきたことは評価されるものの、SDGsのロゴを貼りつけるだけではなく、それを裏付ける記載の充実を期待したい。また、2050年カーボンニュートラル社会実現に向けて建築分野では、これまでにない取り組みが求められる状況を踏まえた提案が少なかったことが残念である。主催者であるヒューリックが先導的に取り組んでいる内容を学んだ上での提案を期待したい。

伊香賀 俊治


提案者が設定したプログラムの特性を生かした建築となっているのかに着目した。
STOCK RE-ONSTAGEは、CLTで構成されたボックスの積層により池袋らしい多様性のある空間を創出している。
RACK'N RAILのLRTを物流にも利用しようという発想が、さらに建築の構成や表現に新鮮さをもたらすと良かった。
GACHA GACHA CULTURE MACHINEは、構造体を物流や設備に使うことのリアリティに疑問を感じないわけではないが、池袋のオタク文化が表現された建築になっている。
HEALTH COMPLEXは、グリーンと楔形状の空間の合体という明快な提案であったが、楔を構造的にも生かした構成にできれば建築的にさらに明快になったのではないか。

亀井 忠夫


右肩上がりの経済では、目的となる活動を行うために建物空間を保有することは合理的だった。しかし、人口が減少し経済が縮小する中では、固定費の塊である建物空間は確実に負担になっていく。いかに建物空間を減らして、目的となる活動を行うのかの知恵が問われる。今回2次審査に残った作品はいずれも目的となる活動の視点で構成されており、工夫も大胆かつ繊細で感嘆した。だが、同時に、「では建物は要らないのではないか?」という疑問がわいた。これは人口減少時代の建築コンペの喉元に突き付けられたナイフである。その解は応募者というより、主催者及び審査員が出すべきものかもしれない。

根本 祐二


メディアの視点で新規性やストーリー性、社会性などに着目して審査した。最優秀賞「STOCK RE-ONSTAGE」は、池袋駅前にCLTの木造高層建築が立ち上がるインパクトに加え、利用者のアクティビティーがイメージでき、好感が持てた。空き家活用、林業再生といった地域や社会の課題解決も目指す提案で発展性がある。事業計画の面ではやや弱いものの、アイデアの奥行きが優れていた。一方、今回の審査全体を通して見ると、力作ぞろいではあったが、驚きのある突き抜けた提案は少なかったように思う。既にある建築の技術やビジネスをよく研究し、独自性ある提案を追求してほしい。

佐々木 大輔


池袋駅周辺では文化国際都市を目指してHigh & Local Cultureに溢れた街づくりプロジェクトが進んでいます。今回は、駅前の敷地にプロジェクトにマッチする建築を募集しましたが、池袋らしく多様な視点から生み出された優れた作品に多く触れることができました。
最優秀作品「STOCK RE-ONSTAGE」は、空き家率が高い地域課題とアートや伝統工芸などのカルチャーに着目したプログラムと、このプログラムを見える化した木造建築の提案で事業性と建築デザイン共にバランスの良い作品でした。
来年はヒューリック学生アイデアコンペも10回目となります。より多くの学生の皆様の参加意欲を掻き立てるような課題を設定して開催したいと考えています。

吉留 学

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