最優秀賞

受賞者
- 登録番号:
hlc-171 - 作品名:
GINZA WATER HUB - 氏名:
重松 希等璃 / 岩下 隆平 - 学校名:
パリ・ラ・ヴィレット国立建築大学 / 東京都市大学大学院 総合理工学研究科建築・都市専攻
スイス連邦工科大学チューリッヒ校 / 東京工業大学大学院 環境・社会理工学院 建築学系
優秀賞

受賞者
- 登録番号:
hlc-133 - 作品名:
GINZA WELL-BEING CENTER
ー健康の民主化を目指した公共的な運動型商業施設の提案ー - 氏名:
齊藤 慶悟 / 藍野 友輝 / 梅澤 秀太 / 小野田 鼓 - 学校名:
日本大学 理工学部海洋建築工学科(齊藤・小野田)
日本大学大学院 理工学研究科海洋建築工学専攻(藍野・梅澤)

受賞者
- 登録番号:
hlc-146 - 作品名:
GINZA Matching Market - 氏名:
加藤 拓実 / 甲斐 彩華 / 河野 裕翔 / 都筑 祐人 / 谷藤 拓海 - 学校名:
名古屋工業大学大学院 工学研究科工学専攻建築・デザインプログラム

受賞者
- 登録番号:
hlc-178 - 作品名:
MOBI STATION GINZA
-アクティブシニアと共創する多世代型シェアオフィス- - 氏名:
松永 貴志 / 荒牧 甲登 / 江見 侑一郎 / 前田 琴梨 / 江尻 龍馬 / マータース 桃音 / 森 奈月 - 学校名:
早稲田大学大学院 創造理工学部建築学科
審査員コメント
今回の課題の敷地は、12m x 115mの非常に細長い敷地で、各案ともにその特徴を活かした提案であった。その反面、意外に銀座の街のもつスケール感を活かした提案が少なかったように感じた。2次審査会は、最後まで白熱した議論が交わされたが、最終的には提案に社会的な意義が込められたGINZA WATER HUBが最優秀賞を獲得した。
このアイデアコンペは、プログラムも提案者が決めるということで、事業者と設計者を兼ねた役割が提案者に求められるところにその醍醐味がある。今、AIの加速的な発達、地球温暖化への対応、世界各地での紛争などにより、将来を見極めることが難しい状況ではある。そのような状況下で建築の役割は何なのかと自問自答することもある。しかし、一方で歴史を俯瞰すると、素晴らしい建築はたとえその用途が変わっても残されていくこともあるし、建築は社会を構成する最重要要素である。建築空間のもつ不変の価値を信じて、また素晴らしい建築空間が社会を変えていくこともありうるという希望をもって、次回以降も既視感の無い、はっとさせられる提案を期待したい。
亀井 忠夫
最優秀から佳作にまで残った作品は、いずれも事業スキーム、建築デザインと環境デザインの融合、プレゼ資料の質、建築模型の質などの点で素晴らしいものであった。一方、応募作品全体として、持続可能な開発目標(SDGs)のロゴを貼り付ける提案が増えてきたものの、ホールライフカーボンのニュートラル化、ウェルビーイング向上などに関する踏み込んだ提案が少なかったことが残念であった。コンペの主催者であるヒューリックが先導しているこれらの取り組みをもう少し勉強した上での提案を期待したい。また、パソコン画面、手元のスマホ画面の原稿を棒読みするのではなく、審査員や聴衆に向けて発表することも心がけていただきたい。
伊香賀 俊治
今回はじめての審査員であったが、実践的で全方位的なコンペは学生にとって極めて有意義であると実感した。印象的だったのは、会員制やサブスクリプションの導入によって、収益の多様化と同時に多様な人々の参加を可能とする「建築の公共化」を構想していた点だ。高額な家賃を払ったものだけが空間を専有する不動産モデルは未だ健在だが、民間企業が都市創造を担うべき資本主義社会の中の新しい萌芽である。また、子育てやエッセンシャルワーカーのサポートなどの今後の社会課題の解決に関する学生達の目線も高かった。しかし資本主義や所得の二極化の極地のようなこの場所では、むしろ極めて限られた少数の人間のための私有化の先に開かれた未来を、肯定・否定も含めて構想すべきであったように思う。
中村 拓志
このコンペの特徴はDBFOMの総合性である。つまり、設計(D)、建設(B)だけでなく、資金調達(F)、運営(O)、維持管理(M)を含めた総合力の戦いになる。参加者の皆さんはDBサイドだが、当然ながら、皆さんの提案にFOMサイドが黙って従ってくれるわけではない。FOMから注文が出た時に、DBのうち何を譲れて何を譲れないか、あらかじめ優先順位付けしておくことが求められる。その点、ファイナリストの作品は、いずれもFOMサイドからみて一定の納得感のあるものだった。民間でも公共でも、今後皆さんが事業計画の意思決定に参画するならば、DBFOM全体への目配りが必要だ。それによって自分のDBプランを一層強く主張できるのである。
根本 祐二
最優秀賞の「GINZA WATER HUB」は、敷地の歴史から水に着目したアイデアにストーリー性があり、デザインから事業提案までよく練られていた。個人的に推した優秀賞「MOBI STATION GINZA」は、未来のモビリティーと都市・建築の関係を先読みしたアイデアで、実現性が感じられるバランスの取れた提案だった。ただ、副題にあるアクティブシニアとオフィスの関係が詰め切れておらず惜しまれる。二次審査に残った作品はいずれもハイレベルだったが、この2作品のチームはプレゼンが抜きんでていた。審査全体を振り返ると、脱炭素や気候変動といった建築の目下の課題に踏み込んだ提案は少なかったように思う。情報のアンテナを広げることで、企画力を磨いていってほしい。
佐々木 大輔
今回は、銀座の細長い土地(12m×115m)を対象として、「未来のGINZAライフ」というテーマで作品を募集しました。121点の応募の中から10点が2次審査に進み、公開審査の結果、最優秀賞1点と優秀賞3点が決まりました。今年も最優秀賞の選考においては2作品が拮抗した形となりましたが、いずれも完成度の高い作品だったと思います。
公開審査後の懇親会では、参加した学生さんから「このコンペは建築を専攻する学生の間で目標とされています」という言葉を頂きました。このアイデアコンペが浸透しつつあることを実感するとともに、今後も学生さん達に成長の機会を提供できるよう開催していきたいと思います。
前田 隆也