最優秀

受賞者
- 登録番号:
hlc-26 - 作品名:
SHINJUKU WORMHOLE クリエイターの魅せ場開放計画
―次世代の都市型ホテル 新たなる交歓と創造の拠点― - 氏名:
マータース 桃音 / 江尻 龍馬 / 平岩 理子 / 森 奈月 - 学校名:
早稲田大学大学院 創造理工研究科建築学専攻
優秀

受賞者
- 登録番号:
hlc-159 - 作品名:
Shinjuku Melting Point for Community Specific - 氏名:
沼 諭 / 幡野 裕大 / 菊地 悠 - 学校名:
工学院大学大学院 工学研究科建築学専攻
審査員コメント
まれに見る激戦で、一等を決めきれずに、最優秀案を2案に出すという異例の決着となった。ということは、この新宿東口という場所自体が難しい場所だったと言い換えることもできる。場所をどう定義するか難しい、場所に二面性があるということでもある。
まずここは世界屈指の巨大ターミナルの駅前の商業集積地であるが、同時にその背後には反権力的反体制的な若者の街として育ってきた新宿という濃い文化がある。商業とアナーキズムを両立させるという困難な大課題に向きあって、応募者全員が苦闘しただろう跡がみえて、審査も楽しかった。
アナーキズムという文化をいかに建築的に翻訳するかというのは、僕にとっても興味深い課題である。政治的な混乱が加速するコロナ後の状況の中で、混乱する政治がどのような経済と結託するかは、学生だけでなく、みなで議論すべき大テーマであった。
隈 研吾
最優秀から佳作にまで残った作品は、事業スキーム、建築デザインと環境デザインの融合、プレゼ資料の質など提案レベルが高くなってきた。一方、応募作品全体として、持続可能な開発目標(SDGs)のロゴを貼り付ける提案が増えてきたものの、2050年カーボンニュートラル社会実現に向けた踏み込んだ提案がほとんどなく、原稿を棒読みの発表をするチームが多かったことは少々残念であった。これは、大学・大学院で建築教育に携わる我々教員自身が深く反省しなければならない点でもある。次回以降、主催者であるヒューリックが先導的に取り組んでいる内容を学んだ上での優れた提案と発表を期待したい。
伊香賀 俊治
最優秀賞「劇場を抜けて新宿を知る」はボックス状の劇場とダイナミックな階段のアトリウム空間による明快な空間構成で、閉鎖的になりがちなこの種の建築を開放感のある、街を繋いでいく建築にしている。「SHINJUKU WORMHOLE」は新宿通りからモア三番街に向けてメタモルフォーズする空間をプログラムと合わせて実現している。優秀賞の三案はさらにテーマを突き詰めた案に発展できる可能性があると感じた。「Shinjuku Melting Point for Community Specific」は街に開かれたダイナミックな屋外空間が特徴的。「SHINJUKU CROSSOVER」は次世代モビリティをテーマに地下から屋上へ繋ぐ空間が提案されている。「SHIN-JUKU MARKET CAVE」はマスの積層により新宿らしい都市空間ヴォイドを創出している。
亀井 忠夫
新宿は想像力をかき立てる魅力的な場である。多くの提案に、欲望や誘惑などのキーワードが並び、これを具現化するためのエンターテイメントおよび支援する商業、宿泊、物流、廃棄物処理などの機能が盛り込まれ、選考していて率直に楽しいと感じた。提案学生の皆さんに心からお礼申し上げたい。また、回を追うごとに、設計面での考察に加えて、事業としての実現可能性の検討がなされるようになったことも好印象である。今回のファイナリスト10作品は、いずれも投資家に聞いてみたいと思わせる強みを持っていた。どうか、その視点を忘れずに今後とも努力を続けていただきたい。
根本 祐二
時事性や社会性、ストーリー性などに着目して審査した。新宿の超一等地に建てる「誘う建築」という問いに対し、2つの最優秀賞の提案はいずれもストーリーに広がりがあり、空間構成も明快にまとめていて、他の提案を半歩リードしていた。特に最優秀賞「劇場を抜けて新宿を知る」の「ウオークスルー出張劇場」というアイデアはイメージが膨らんだが、最終審査で議論になったように建築的な仕掛けが詰め切れておらず惜しまれる。今回の審査全体を通してみると、力作ぞろいではあったが、ポストコロナの建築・都市の在り方にまで踏み込んだ提案は少なかったように思う。情報のアンテナを広げ、時代の先を読む力を身に付けていってほしい。
佐々木 大輔
今回は、新宿通りに面した土地を対象として「誘う(いざなう)建築」というテーマで作品を募集しました。121点の応募の中から10点が2次審査に進み、今回初めて最優秀賞が2点選ばれるという結果になりましたが、優秀賞3点を含めた5点の作品はいずれも力作揃いで、参加された方の熱量が感じられるものでした。また、コロナ期間中は中止していた表彰式・懇親会も開催し、隈審査委員長から講評を頂くとともに、懇親会では参加者と審査委員の先生で、応募作品を見ながら意見交換が行われていました。今後も、この学生アイデアコンペが建築・不動産を目指す学生さん達に成長の機会を提供できるよう開催していきたいと思います。
前田 隆也