「『渋谷な』建築」をテーマに開催された第2回ヒューリック学生アイデアコンペは、2014年8月24日にヒューリック本社にて公開2次審査を実施し、プレゼンテーションと質疑応答、審査委員の議論を経て、最優秀賞1作品、優秀賞3作品、佳作6作品が決定しました。(応募総数163点)
このコンペのユニークな点は、若い人を対象にしたコンペでありながら、しかも具体的な「場所」「敷地」が与えられていることである。 普通この種のコンペは、抽象的な敷地を対象としてアイデアを競う形になりやすい。僕はかねがね、その種の「一発芸」的な競争の仕方に疑問があったので、ヒューリックのやり方に大きな可能性を感じたのである。 そして今回渋谷である。実際には渋谷の中の特定の場所が与えられているが、またしても「渋谷的」という抽象的な課題におちいっているものが多かった。あの地面にレベル差のある「敷地」からはじめて、逆に渋谷とか東京とかいう解に到達している案が買われて、張君が最優秀となった。その他の案も力作ぞろいで、昨年よりまた、レベルがあがった。このようなリアリティのある出題が、今の若者の、自分からはものがきめにくいやさしいメンタリティに、意外にもフィットしているのではないかと思った。このコンペからどんどんたくましい若者が育ってくる予感があった。 隈 研吾
審査員コメント
このコンペのユニークな点は、若い人を対象にしたコンペでありながら、しかも具体的な「場所」「敷地」が与えられていることである。
普通この種のコンペは、抽象的な敷地を対象としてアイデアを競う形になりやすい。僕はかねがね、その種の「一発芸」的な競争の仕方に疑問があったので、ヒューリックのやり方に大きな可能性を感じたのである。
そして今回渋谷である。実際には渋谷の中の特定の場所が与えられているが、またしても「渋谷的」という抽象的な課題におちいっているものが多かった。あの地面にレベル差のある「敷地」からはじめて、逆に渋谷とか東京とかいう解に到達している案が買われて、張君が最優秀となった。その他の案も力作ぞろいで、昨年よりまた、レベルがあがった。このようなリアリティのある出題が、今の若者の、自分からはものがきめにくいやさしいメンタリティに、意外にもフィットしているのではないかと思った。このコンペからどんどんたくましい若者が育ってくる予感があった。
隈 研吾