最優秀
受賞者
- 登録番号:
hlc-139 - 作品名:
CHILD HUB GINZA ー銀座のまち・企業と連携した幼小中一貫校の提案ー - 氏名:
田上 源士 / 小田 雅也 / 西川 裕知 / 谷 俊栄 - 学校名:
名古屋工業大学大学院 工学研究科 工学専攻 創造工学プログラム 建築デザイン分野(田上)
名古屋工業大学大学院 工学専攻 社会工学系プログラム(小田、西川、谷)
優秀
受賞者
- 登録番号:
hlc-39 - 作品名:
DRESS ROOM for RUNWAY - 氏名:
小川 晃由 / 青木 蓮 / 田中 竣 / 黒木 雄一朗 - 学校名:
東京都市大学大学院 総合理工学研究科 建築都市専攻
受賞者
- 登録番号:
hlc-85 - 作品名:
GINZA TRANSFORMERS - 氏名:
森田 雅大 / 池田 集 / 北村 光 / 桑原 葵 - 学校名:
千葉大学大学院 融合理工学府 創成工学専攻 建築学コース(森田、池田、北村)
千葉大学 工学部 総合工学科 建築学コース(桑原)
審査員コメント
銀座はただの商店街ではない。その重要なことがどれだけ分かっているかが、最終的な評価を決めた。
最優秀案は、銀座の文化的な深さを最も理解していた。その文化をどのように次の世代に伝えていくかを、具体的な仕掛けで提案した。
それは教育という仕掛けである。物を売ることだけが経済活動ではない。教育もまた立派な経済活動である。教育という仕掛けを通じて、文化を継承し、経済を回していくという方法は、これからの都市を考えるうえで、様々なヒントを与えてくれた。都市というものがそもそも物を売ったり買ったりする場所ではなく、文化を継承していくための場所へと変質していくという、大きな転換を予見させる提案でもあった。
優秀案のGINZA Shadow Programmingも目を引いた。通常、商業施設には、外界と遮断された人工的環境が好まれる。しかし、この案では、商業施設としての濃密な空間体験と、光と影を用いての外界との接続の両立が試みられているのである。それは、商業施設の定義の変更につながるかもしれない。別の見方をすれば、「陰翳礼讃」の日本ならではの商業施設の提案とも受け止められる。銀座という、最もハイカラでありながら最も日本的な場所で、そんな商業施設が出来上がったら、どんなに素敵だろうと、想像をたくましくした。
隈 研吾
このコンペも第10回を迎え、最優秀から佳作にまで残った作品は、事業スキーム、建築デザインと環境デザインの融合、プレゼ資料の質など提案レベルが高くなってきている。一方、応募作品全体として、持続可能な開発目標(SDGs)のロゴを貼り付ける提案が増えてきたものの、2050年カーボンニュートラル社会実現に向けた踏み込んだ提案がほとんどなかった点は残念である。これは、大学・大学院で建築教育に携わる教員自身が深く反省しなければならない点と思う。次回以降、主催者であるヒューリックが先導的に取り組んでいる内容を学んだ上での優れた提案を期待したい。
伊香賀 俊治
最優秀賞のCHILD HUB GINZAはプログラム、建築としてもバランスのとれた提案であった。外観に、スロープだけではなく内部のBoxを表出させると建築としての特徴が際立ったのではないか。GINZA Shadow Programmingは、パラメトリックデザインを駆使し、床・壁が連続した内部・外部空間ともに特徴のある話題になりそうな建築である。GINZA TRANSFORMERS、DRESS ROOM for RUNWAYともに空間構成が明快な案である。前者はスクリーンとその裏の空間のダイアログが起こるような仕掛けがあるとさらに良かった。後者はrunway空間を透明感のあるデザインにできなかったか。
亀井 忠夫
本選の10作品はいずれもエッジの利いた特徴ある提案でした。ファイナリストとして大いに自信を持つと良いです。その中からあえて絞り込むのは審査員にとって悩ましいところですが、デベロッパー主催コンペであることに鑑み、事業としての成立可能性が高いかどうかで判断させていただきました。評価されるポイントは、「収入と費用を計算して数字で言えるようにすること」、「企業・人が喜んで料金を払ってくれる理由を考えること」、「安易に税金や寄付に頼らないこと」などです。社会に出たら必ず問われるので、今のうちに身に付けておくことをお奨めします。
根本 祐二
審査ではメディアの視点から、提案されたストーリーに新しさや広がりがあるかなどに着目した。「誰も知らない銀座」という問いに対し、地域・社会の課題を解決しようとする意欲的な提案がいくつもあった。最優秀賞「CHILD HUB GINZA」は街や企業と連携した幼小中一貫校の提案で、建築の内外に活力を与えることが意図され、実現したら街の景色が変わると思わせる内容だった。現状の学校施設に対する批評性があり、現実性の面でもよく練られ、他の提案に比べて一歩リードしていた。2次審査全体を振り返って気になったのは対面でのプレゼン力。魅力ある提案は伝わってこそ輝く。プレゼン力もぜひ磨いてほしい。
佐々木 大輔
今回のテーマは「誰も知らない銀座」。銀座は「洗練された大人が集う場所」や「銀ブラ」のイメージがあります。今回の優秀賞3点の内2点(「GINZA TRANSFORMERS」、「DRESS ROOM for RUNWAY」)は、銀ブラを「変身→主役」や「試着→ランウエイ」という新たな視点から提案したものです。一方で、最優秀賞に選ばれた「CHILD HUB GINZA」は、当社が新規事業として取り組んでいる「こども教育事業」を、一般的な概念にとらわれずに、銀座ならではの視点(老舗企業の集積や歌舞伎座の存在など)から街との連携を提案したものでした。
前田 隆也