Hulic

第8回
ヒューリック
学生アイデアコンペ

ANNOUNCEMENT OF THE RESULTS
結果発表

第8回審査結果発表

「Legacy@Sendagaya」をテーマに開催された第8回ヒューリック学生アイデアコンペは、2020年10月18日にヒューリック本社にて公開2次審査を実施し、プレゼンテーションと質疑応答、審査委員の議論を経て、最優秀賞1作品、優秀賞3作品、佳作6作品が決定しました。(応募総数:131)

最優秀

hlc-77

受賞者

  • 登録番号:hlc-77
  • 作品名:FOOD SPIRAL
  • 氏名:大野 めぐみ
  • 学校名:千葉大学大学院 融合理工学府 創成工学専攻 建築学コース

優秀

hlc-151

受賞者

  • 登録番号:hlc-151
  • 作品名:INDUSTRY SKY 1.0
  • 氏名:齋藤 柊
  • 学校名:東北大学大学院 都市・建築学専攻
hlc-209

受賞者

  • 登録番号:hlc-209
  • 作品名:SubscLIFE
  • 氏名:杉山 莉奈 / 淺井 健矢 / 津田 健太 / 大崎 拓実
  • 学校名:名古屋工業大学大学院 創造工学プログラム建築デザイン専攻 / 社会工学専攻
hlc-293

受賞者

  • 登録番号:hlc-293
  • 作品名:学びの森
  • 氏名:森山 広崇 / 庄司 虎太朗
  • 学校名:
    滋賀県立大学大学院 環境科学研究科 環境計画学専攻 /
    滋賀県立大学 環境科学部 環境建築デザイン学科

佳作

hlc-54
  • 登録番号:hlc-54
  • 作品名:Symbiosis Sendagaya
  • 氏名:柳瀬 真朗 / 重永 鑑 / 市原 尚典
  • 学校名:九州大学大学院 人間環境学府
hlc-74
  • 登録番号:hlc-74
  • 作品名:Everyone in Residence
  • 氏名:黒石 ゆうか
  • 学校名:千葉大学大学院 融合理工学府創成工学専攻建築学コース
hlc-109
  • 登録番号:hlc-109
  • 作品名:surround Japan
  • 氏名:脇山 日菜子 / 月ヶ瀬 かれん
  • 学校名:日本女子大学 家政学部住居学科
hlc-113
  • 登録番号:hlc-113
  • 作品名:「SPOGOMI」Olympic
  • 氏名:池田 勇輝 / キムラ アキヒロ / 石川 朔巳
  • 学校名:東京都市大学大学院 総合理工研究科建築都市専攻
hlc-203
  • 登録番号:hlc-203
  • 作品名:TOKYO SENTO 2020 オリンピックレガシーを未来へ受け継ぐ銭湯施設
  • 氏名:原田 秀太郎 / 稲野邊 義紀 / 丹下 裕介
  • 学校名:早稲田大学大学院 創造理工学研究科 建築学専攻
hlc-227
  • 登録番号:hlc-227
  • 作品名:残滓の空中菜園
  • 氏名:福岡 優 / 田村 航一 / 北條 太一 / 堀 智哉
  • 学校名:京都工芸繊維大学大学院 建築学専攻

審査員コメント

レガシーということがうんぬんされるようになったのは、意外に最近の話である。記念碑を残すとか、忘れないようモニュメントを建てるのとは違って、レガシーというのは、そこにどのような継続的な活動を残すかがテーマである。必ずしも建築を建てる必要はない。その問題は、非建築的コミュニケーションを重視するコロナの都市デザインとも関連していて、意図せずして極めてタイムリーな課題であったともいえる。
FOOD SPIRALとSubscLIFEは、最後まで最優秀案を競ったが、FOOD SPIRALは、より活動に重心があり、形態的なモニュメンタリティを避けようとしていて、そこがこの時代の空気感にフィットして、最優秀案となった。
もうひとつ面白かったのは、オリンピックはスポーツの祭典であるが、スポーツの定義自体が大きく変わろうとしていることである。競技よりは、ライフスタイル自体がスポーツと考えられるようになり、そうなると当然身体と食という問題が、中心に踊り出てくる。そのあたりに対しても応募者は敏感であり、審査していて楽しかった。

隈 研吾


このコンペも第8回を迎え、最優秀から佳作にまで残った作品は、事業スキーム、建築デザインと環境デザインの融合などいずれも提案レベルが高くなってきており、うれしく感じている。気流解析(CFD)などの環境シミュレーションを駆使し、エビデンスに基づいた建築デザインの提案(優秀賞に選ばれたINDUSTRY SKY 1.0)などは特筆に値する。また、持続可能な開発目標(SDGs)の諸ゴール達成と関連付けた提案がまだ少ない点が気になるので、次回以降の応募にあたり、是非提案に盛り込んでいただくことを期待したい。

伊香賀 俊治


今を象徴したLegacyとなる建築とはどのようなものだろうか。提案にはモビリティ、廃棄物など、現代が抱えているテーマを扱った案が複数見られた。最優秀「FOOD SPIRAL」、優秀「SubscLIFE」ともにモビリティのターミナルとする提案であった。前者は食文化をテーマとしながら、吊り構造によるスラブとスロープで構成し、将来的なフレキシビリティにも対応し、かつ強いメッセージ性を感じる単純なフォルムとしている点が優れていた。後者は対照的にダイナミックなフォルムを提案しており、2段階で建設しlayerを重ねていきLegacyとしようとした点を評価した。

亀井 忠夫


今回のテーマを聞いたとき、「ヒューリック」と「千駄ヶ谷」の組み合わせで、最年少タイトルホルダー藤井聡太ヒューリック杯棋聖の誕生で空前の盛り上がりを見せる将棋界(本拠は千駄ヶ谷)を取り上げた提案が多いと思ったが、幸か不幸か、部分的な言及はあったものの全面的な取り込みはなかった。将棋ファンとしては少々気落ちしたが、ファイナリストはいずれも社会システム変革の気概に満ちていた。人口減少、少子高齢化、インフラ老朽化などすべての地域で共通に抱える課題解決のヒントを得ることができたのは、審査員としてとても幸運だった。心から感謝したい。

根本 祐二


「Legacy@Sendagaya」というテーマに加え、作品提出時期にコロナ禍が重なり、応募者は頭を悩ませたと思うが、刺激的な提案がいくつもあった。審査ではメディアの視点で「見出しが立つか」、つまり新規性、ストーリー性などに着目した。今回目立ったのはAI、ドローンといった先端技術を織り込んだ提案だ。優秀賞「subsc LIFE」はMaaSを切り口としており、提案には都市をアップデートさせるという強い意志を感じた。一方、事業性・現実性の面で抜きん出た提案は少なかった。例えば異分野の学生をチームに巻き込んでコンペに臨めば、よりリアリティーのある提案ができると思う。視野を広く、腕を磨いていってほしい。

佐々木 大輔


東京オリンピック・パラリンピックの大会ビジョンは「スポーツには世界と未来を変える力がある」ですが、建築も然りと強く印象付けられたコンペでした。実に多様なLegacyの提案がありました。中でも最優秀、優秀作品は、今日的あるいは近未来的な視点からの興味深い課題設定とユニークな事業アイデアや先端技術を使ってのソリューションなど、未来指向のLegacyを提案している点で秀でていたと思います。事業者目線からは、好立地@Sendagayaのアドバンテージを生かす、もうひと工夫があればなお良かったと付言しておきます。コロナの影響で、各応募者とはオンラインでのコミュニケーションになりましたが、従来にも増して密度の濃い質疑応答ができたことも新たな発見でした。

吉留 学

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