最優秀賞
受賞者
- 登録番号:
hlc-194 - 作品名:
Shinbashi DATA STATION - 氏名:
大口 博之 / 池田 公輔 - 学校名:
東京藝術大学大学院 美術研究科建築専攻(大口)
東京都市大学大学院 総合理工学研究科建築都市デザイン専攻(池田)
優秀賞
受賞者
- 登録番号:
hlc-41 - 作品名:
SHINBASHI SO-LARIS JUNCTION - 氏名:
呉 帥辰 / 小谷 さくら / 土屋 奏太 / 木榑 実季 - 学校名:
早稲田大学大学院 創造理工学部建築学科(呉)
早稲田大学大学院 創造理工学研究科建築学専攻(小谷・土屋・木榑)
受賞者
- 登録番号:
hlc-149 - 作品名:
SAKE STATION SHINBASHI - 氏名:
池田 拓樹 / 馬越 康輔 / 小畑 智皓 / 東村 天 / 行藤 航太朗 / 渡邊 隆之助 - 学校名:
立命館大学大学院 理工学研究科環境都市専攻(池田)
立命館大学大学院 理工学研究科環境都市専攻建築都市デザインコース(馬越・小畑・東村・行藤・渡邊)
受賞者
- 登録番号:
hlc-162 - 作品名:
Shimbashi Re:Charge Station - 氏名:
酒井 優 / 浅井 駿来 / 富永 玲央 / 五十嵐 功 / 小林 弘真 / 有本 百花 - 学校名:
日本大学 理工学部海洋建築工学科(酒井・有本)
日本大学大学院 理工学研究科海洋建築工学専攻(浅井・富永・五十嵐・ 小林)
























審査員コメント
日本で最初の鉄道駅ができた新橋にちなんで、都市インフラとしての建築のあり方をテーマにした作品が多かった。インフラの捉え方もモビリティに限らず、エネルギー、情報など多義にわたっていた。最優秀賞Shinbashi DATA STATIONは、近年の急速なAIの発達に対応して都心部にも建設されつつあるデータセンターを、他施設と複合化することにより排熱を利用して環境的インパクトを低減するとともに、アクティビティを誘発する開かれた施設とする提案であり、現実的には解決すべき課題はあるものの、社会課題にチャレンジし、かつ空間構成や表現力にも優れており、高い評価を得た。以下優秀賞の3点。グリーン水素に着目したShimbashi Re:Charge Stationは、空間構成も明快であるとともに、周辺への波及効果も期待させる作品であった。SAKE STATION SHINBASHIは、その評価は分かれるものの直球的表現の作品であった。SHINBASHI SO-LARIS JUNCTIONは、藻類バイオアクターをファサードに組み込み、環境負荷を抑える提案で今後の展開が期待される。社会共有資産としての建築の価値を認識し、来年も審査員のイマジネーションを超える案の提案を期待したい。
亀井 忠夫
最優秀から佳作にまで残った作品は、いずれも事業スキーム、建築デザインと環境デザインの融合、プレゼ資料の質、建築模型の質などの点で素晴らしいものであった。一方、応募作品全体として、持続可能な開発目標(SDGs)のロゴを貼り付ける提案が増えてきたものの、2050年カーボンニュートラル化、ウェルビーイング向上などに先導的に取り組んでいるヒューリックの取り組みをよく調べて提案に含めている作品が増えてきたことは評価できる。なお、パソコン画面、手元のスマホ画面の原稿を棒読みせず、審査員、聴衆の目を見て説得力のある発表が増えることを期待したい。
伊香賀 俊治
江戸時代から人流や物流の要所として栄えてきた新橋。では令和の時代、この地で何を発信し、流通させていくべきだろうか。そして、そのための拠点のあるべき姿とは――。最優秀賞に選ばれた「Shinbashi DATA STATION」が題材に選んだ「データ」や、優秀賞を獲得した「Shimbashi Re:Charge Station」がフォーカスした「エネルギー」は、まさに時代を真正面から捉えたテーマである。その上で、目には見えないそれらを建築のプログラムや形態へと精緻に落とし込んでいた。二次審査に残った作品は、それぞれに独自の魅力を放っていたが、この2案は説得力や納得感という点で図抜けていたように思う。あえて注文を付けるとすれば、少々優等生過ぎる点だろうか。新橋という街が放つちょっとした妖しさ、猥雑さをスパイスとして取り込むことができれば、人の心を強く引きつける色気をも備えた提案になったのではないか。
木村 駿
藻や水素、都市観光、ドローン宅配、新モビリティ等、都市のファサードと空間形式を更新し得る挑戦的な提案が多かった。中でも「Shinbashi DATA STATION」は、DATAと暮らしの実感を結ぶため、センターコアの設備シャフト外周に人の活動ボリュームを纏わせる構成が秀逸。閉鎖的で地域と断絶しがちな郊外型データセンターへの批評であり、設備外在化が内部をブラックボックス化したポンピドゥー・センターへの応答としても鮮やかだった。サーバー排熱を回収・循環する仕組みや、データの塔が神々しい気配を帯びて立ち上がる表現も魅力で、新橋という都心の節点にふさわしい都市像を示した。
中村 拓志
このコンペは建築をベースにしつつも事業としての実現可能性も問われる難度の高いものであり、2次審査に進んだ10組は、社会ですぐに通用できる能力を公に認められたことに大いに自信をもっていただきたい。本コンペに関心をお持ちのすべての学生さんが今後さらに成長していくために、「金額の数字を入れて考えること」をお奨めする。中でも投資回収年数=投資額÷年間利益が分かりやすい。これが長すぎると、せっかくのアイデアも日の目を見ることができない。何とか投資可能範囲内に納めるにはどの費用を削減しどの収入を増やせばよいか、そうした検討が、さらに建築のアイデアを豊かにしてくれるだろう。
根本 祐二
今回は、新橋の視認性の高い角地を題材に、「新橋~シン・駅~」というテーマで作品を募集しました。10点が2次審査に進み、公開審査の結果、最優秀賞1点と優秀賞3点が決まりました。今年も最優秀賞の選考においては2作品が拮抗した形となりましたが、いずれも完成度の高い作品だったと思います。
最優秀賞を受賞した「Shinbashi DATA STATION」は、新しい駅(シン・駅)の形としてデータセンターを提案したもので、普段あまり人の目に触れないデータセンターを視認性の高い場所にもってくることによって、データセンターに対する一般の方の認識を変えることが期待される提案だったと思います。受賞された10作品の皆さん、おめでとうございました。
前田 隆也