ヒューリック本社ビル省CO2技術の導入
屋上には太陽光発電パネルを設置し、雨水はトイレの洗浄水として利用します。事務室を含め全館LED照明を採用し、人感センサー、明るさセンサーによって照度を調整します。外壁の断熱性向上のためLow-Eペアガラス、木製ブラインドを使用します。
MIT(マサチューセッツ工科大学)との共同研究による自然換気・自然採光システム
自然換気システム
ヒューリック本社ビルでは、MITと共同研究・開発を行い、執務室内の空気の流れ方などを綿密にシミュレーションした独自の自然換気システムを導入しています。この自然換気システムは、春・秋は冷涼で快適な外気を建物内に積極的に取り入れることから空調機を停止しても快適な室内環境が作られます。また、空調機を停止することによって、年間エネルギー使用量の削減を実現しています。さらに、都市部の交通騒音などの対策として、自然換気の給気口には消音チャンバーを設けて屋外の騒音が執務環境に影響しない構造とすることで、自然エネルギーを最大限に活用できるシステムを実現しました。
自然換気断面イメージ図
自然採光システム
自然採光システムは、MITと共同研究・開発した特殊形状の自然採光ルーバー(アニドリックルーバー)によって、動力を使うことなく、変化する季節・時間(太陽の位置・高度)において常に太陽光を室内天井面に取り込むことができるシステムです。反射率の高い金属パネルを室内天井材に使用した反射天井は、オフィス机上面に均一でやさしい自然光を取り込むことができます。このシステムは、ヒューリック本社ビル、ヒューリック別館をはじめ、一部の開発物件で導入しています。
自然採光イメージ図
省CO2効果
ヒューリック本社ビルでの試算
トップレベルの環境技術を導入することにより、高い省CO2効果が得られます。CASBEE(建築物総合環境性能評価システム)による評価でも、BEEは3.3で、Sランクに該当します。
- PAL値(*)=225MJ/年・m2 ・・・オフィスビル基準値マイナス25%
- ERR値(*)=35% ・・・東京都省エネ性能基準の最高クラス
- CO2排出量削減=東京都省エネカルテによるオフィスビル平均値比40%削減
=建物全体のライフサイクルCO2 30%削減
- * PAL値=建築の計画、外皮性能(外壁・屋根など)設計に関わる省エネルギー性の評価指標
- * ERR値=設備システムにおける一次エネルギー消費量の低減率を示すもの
環境技術の製品化
自然採光システム(特許取得)
MITとの3年間にわたる共同研究・開発により具現化したもので、特殊形状の自然採光ルーバー(アニドリックルーバー)によって、動力を使うことなく、変化する季節・時間(太陽の位置・高度)において常に一定量の太陽光を室内天井面に取り込むことができるシステムです。極めてシンプルでメンテナンスフリーな固定タイプでありながら、今まで達成が不可能とされてきたレベルの自然光ボリュームによる快適な照度を得られることが最大の特徴です。
特許の概要
発明の名称:採光ルーバーユニット
登録番号:第6021103号
登録日:2016年10月14日
太陽光パネル(特許取得)
太陽工業株式会社、岐阜プラスチック工業株式会社と共同開発した太陽光パネルの特徴は、「軽量」「自由設計」「簡単取付」にあります。
アルミ板と樹脂系ハニカムパネル材により高強度で軽量の太陽光パネルを実現し、その重さは従来型と比較し1/2程度です。オーダーメイドの自由設計で多様な形状に対応可能、また、専用金物によるスライド式簡単取付で改修工事など厳しい荷重条件の建物にも設置可能となっています。
特許の概要
発明の名称:太陽光発電装置、およびその組み立て方法
登録番号:第6018856号
登録日:2016年10月7日
薄層壁面緑化システムの製品化(特許取得)
環境ビジネスの一環として、東邦レオ株式会社、ダイトウテクノグリーン株式会社と共同で既存建物にも導入しやすい壁面緑化システム(薄層壁面緑化システム)の開発を行いました。製品化されており、3社共同で特許を取得しました。
特許の概要
発明の名称:緑化装置及び緑化装置の施工方法
登録番号:第6460942号
登録日:2019年1月11日